どうも、道楽さんです!

「ライトノベルを読んでみたいけど、何から始めればいい?」——そんな方の強い味方になるのが「このライトノベルがすごい!2026」(通称:このラノ2026)です。

2025年11月に発表された今年のランキングには、2つの大きな潮流がありました。

ひとつは単行本・ノベルズ部門でのWeb小説発作品の席巻。

もうひとつは、文庫部門1位に輝いた『あそびのかんけい』が一般投票では30位圏外でありながら業界関係者の圧倒的な支持で1位を獲得した異例の事態です。

この記事でわかること
  • 「このライトノベルがすごい!2026」の主要ランキング結果
  • 単行本部門を席捲したWeb小説発作品の紹介
  • 文庫部門1位「あそびのかんけい」が起こした異例の逆転劇
  • 2026年現在の書籍化ルートとその変化

この記事では、このラノ2026の主要ランキングを整理しながら、カクヨム・なろう発ラノベの実力と、Web小説から書籍化・アニメ化に至る最前線の動向を解説します!


「このライトノベルがすごい!2026」とはどんな賞?

まず、「このライトノベルがすごい!」が何か知らない人のために説明しましょう。

「このライトノベルがすごい!」とは

宝島社が2004年から刊行するラノベのガイドブック兼ランキング企画です。

項目内容
種類読者投票ランキング
発行宝島社
創刊2004年
発売時期毎年12月ごろ
対象その年に話題になったライトノベル

ライトノベル(若者向けの小説)の中から、その年に特に面白かった作品を読者投票で選ぶランキング本となっています。

そのため、面白いライトノベルを探している人はこの毎年開催されている「このライトノベルがすごい!」に掲載されている作品から探すのがおすすめです。

他の賞との主な違い

他の賞との違いとしては業界関係者だけの投票ではなく、一般読者の票もランキングに反映される仕組みになっていることです。

他の賞との違いについて
比較ポイントこのラノ電撃小説大賞など
選ぶのは誰?一般読者業界関係者編集者・審査員
対象既刊の人気作新人の未発表作
意味合い「売れた・読まれた」証明「新人デビュー」の登竜門

この企画は読者投票(WEBポイント)と、書店員・編集者・ライターら業界関係者の票(協力者ポイント)を合算した総合ポイントで順位が決まります。

それぞれ配点が異なるため、一般ファンに人気の作品と、玄人に評価される作品の両方がランキングに反映される仕組みになっているのです。

そのため、厳密には「賞」ではなく、読者や関係者の人気投票によるランキングとなります。しかし、だからこそ作品の面白さと読者人気がしっかりと反映された企画と言えるでしょう。

また、2026年版からは「新作文庫部門」「新作単行本・ノベルズ部門」が新設され、より多様な新鋭作品にスポットが当たる構造になりました。それにより、一般人気と玄人評価の二本立てという仕組みが、ランキングに独自の深みをもたらしています。

道楽さん

「このラノ」でランクインした作品はその後アニメ化されることも多いため、いわば「少し先の人気を先取りするランキング」とも言えます。


歴代ランキングの頂点:2010年代の3強と殿堂入り

「このラノ」の権威を語るうえで外せないのが、2010年代にランキングを席捲した伝説的な作品群です。これらは複数年にわたって1位を獲得し続け、ジャンルの基礎を築きました。

歴代ランキング作品紹介
順位・称号タイトル著者功績
殿堂入りやはり俺の青春ラブコメはまちがっている。渡 航2016年に3年連続1位で殿堂入り。作品・男女キャラの三冠を達成
第1位(複数回)ソードアート・オンライン川原 礫VRMMOジャンルの先駆け。2部門制覇の圧倒的人気
第2位(複数回)とある魔術の禁書目録鎌池和馬4部門を完全制覇
御坂美琴が女性キャラ1位を9回獲得
第1位(2年連続)りゅうおうのおしごと!白鳥士郎将棋をテーマにした熱い人間ドラマ

おそらく、ライトノベルに触れたことがある人ならば一度は聞いたことがある作品たちでしょう。

当時はライトノベル全盛期とも言えるほど業界全体が熱狂しており、それと同時に『涼宮ハルヒの憂鬱』『灼眼のシャナ』『とある魔術の禁書目録』など、多くの名作たちが生まれました。

これらの作品がランキングで積み重ねた実績が、「このラノ」という企画への信頼性を高めてきました。2026年版でランクインした作品たちは、こうした先人たちの後継として評価されているわけです。


単行本・ノベルズ部門:Web小説発が上位を席捲

このラノ2026の単行本・ノベルズ部門TOP5を見ると、そのほぼ全てがWeb小説発の書籍化作品です。カクヨム・なろうから生まれた作品たちが、ラノベの主流にしっかりと根を張っていることがわかります。

1位 サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと(なろう発)

サイレント・ウィッチ|カドカワBOOKS

引用元:© KADOKAWA CORPORATION 2026

「このライトノベルがすごい!2026」の単行本・ノベルズ部門1位を獲得したのは「サイレント・ウィッチ」です。

あらすじ

主人公モニカ・エヴァレット「沈黙の魔女」と呼ばれる天才魔女。詠唱なしで魔法を使えるという稀有な才能を持ちますが、その秘密は極度の人見知りでした。

「七賢者」として第二王子の護衛を命じられた彼女が、正体を隠しながらの学園生活の中で友達や仲間を得ることで少しずつ成長していくファンタジー冒険譚です。

この作品の主人公モニカ・エヴァレットは、王国最高峰の魔術師「七賢人」の一人でありながら、極度の人見知りのため、人前に立つだけで言葉を失ってしまう少女です。

そんな人見知りな少女が任務のために入った学園生活の中で、友人や仲間を得ることで少しずつ人間として成長していく過程を丁寧に書いているところが非常に魅力的な作品です。

この作品は筆者も以前から知っていましたが、前年度は11位と特別有名な作品ではありませんでした。

しかし、2025年7〜10月にTVアニメが放送され、そのあまりの完成度の高さから既存ファン以外からの注目を集め、「このラノ2026」で1位を獲得するに至ったのです。

このように、アニメ放送から人気作となり、「このラノ」で首位を獲得するというのが一番の王道パターンとなります。

道楽さん

「どれから読もうか迷う」という方は、2025年アニメ放映済みの「サイレント・ウィッチ」からのスタートがおすすめです!

作品紹介
タイトルサイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと
著者依空まつり(イラスト:藤実なんな)
出版社カドカワBOOKS(KADOKAWA)
Web小説発小説家になろう
アニメ化2025年7〜9月放映
読書環境電子書籍・書店・なろう(原作掲載中)

2〜5位にも揃い踏み:なろう発の実力作たち

さらに、2位以下の作品も実力作が揃っています。

2位「転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す」(十夜)

3位「魔導具師ダリヤはうつむかない」(甘岸久弥)

4位「転生したらスライムだった件」(伏瀬)

5位「悪役令嬢は溺愛ルートに入りました!?」(十夜、宵マチ)

上記のいずれもなろう発の書籍化作品です。

なかでも「転生したらスライムだった件」は、なろう発ラノベの代名詞的存在。原作小説は2025年11月に完結し、2026年4月からはTVアニメ第4期が放映中です。

なろう作品初心者の方は、筆者が以前に「なろう系アニメ入門」をご紹介しておりますので、そちらも見ていただければ幸いです。

道楽さん

筆者おすすめ!

「転スラ」は完結済みなので「どこまで続くの?」という心配なく読めます。アニメで追いながら原作を読む楽しみ方もおすすめですよ。

作品紹介
タイトル転生したらスライムだった件
著者伏瀬(イラスト:みっつばー)
出版社GCノベルズ(マイクロマガジン社)
Web小説発小説家になろう
アニメ化第4期 2026年4月放映中
読書環境電子書籍・書店・なろう(完結済み)

文庫部門:一般票圏外から1位へ、「あそびのかんけい」の異例

あそびのかんけい|特設ページ|ファンタジア文庫

引用元:© KADOKAWA CORPORATION 2026

「このラノ2026」文庫部門で最大の話題を呼んだのが、葵せきなさんの『あそびのかんけい』(ファンタジア文庫)です。

なぜ話題となったかというと、この作品はWEBポイント(一般読者票)では30位圏外(58.52pt)という評価でした。

それにもかかわらず、協力者ポイントは394.57pt——2位の倍以上という驚異的なスコアを記録し、総合首位を獲得。

それにより、「総合」「文庫」「新作文庫」の3部門で1位を獲得し、殿堂入りした『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』並の注目作として、短期間で高い評価を得ています。 

正直、これを聞いたときに筆者は「業界関係者のゴリ押しではないか?」と疑っていました。なぜなら、業界関係者がこぞって推すとき、そこには純粋な面白さとは別の力学が働いていることもあるため、この作品に対しても同様の警戒心を抱いていました。

しかし、――疑ってかかった自分を、一冊で黙らせてくれたのです。

はじめは「よく見るタイプのラブコメかな」と思っていました。

しかし、読み進めるうちに小さな違和感が次第に形となっていき、後半には散りばめられていた情報がつながった瞬間、上質なミステリーを読んでいるときのような快感を感じることができたのです。

この作品は話を聞いているだけではその素晴らしさを感じることはできません。ぜひ書籍を手にとってこの衝撃を味わってみてください!

道楽さん

ここ最近で一番の衝撃作!

「一般受け」より「玄人受け」の作品がトップに立つ——「このラノ」はこういう予想外の結果があるから面白いんです。今後のアニメ化に注目したい一作ですね。

文庫部門でもWeb小説発が存在感を発揮

文庫部門でもなろう・カクヨム発作品は多数ランクインしています。

  • 2位:お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件(佐伯さん/GA文庫)
  • 4位:時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん(燦々SUN/角川スニーカー文庫)
  • 5位:転生程度で胸の穴は埋まらない(ニテーロン/電撃文庫)
  • 9位:薬屋のひとりごと(日向夏/ヒーロー文庫)

特にカクヨム発の「転生程度で胸の穴は埋まらない」は新鋭作品として注目株です。

転生という設定に感情の空虚さや喪失感を絡めたテーマが、新しいWeb小説系ラノベの可能性を示しています。

さらに、ダンまちの大森藤ノ先生や、魔法科高校の劣等生の佐島勤先生など多くの作家の方から推薦コメントがあり、単なる異世界転生モノの枠を超えた「本格的な物語」に多くの共感を呼んでいるのです。

ぜひ、単なる異世界転生ではない、人間的な愛や情愛がテーマであるこの作品をお楽しみください!

道楽さん

こんな人におすすめ

カクヨム発の新作を探している人 / 転生ファンタジーが好きな人 / 感情的なテーマに惹かれる人

作品紹介
タイトル転生程度で胸の穴は埋まらない
著者ニテーロン
出版社電撃文庫(KADOKAWA)
Web小説発カクヨム
アニメ化未定(未確認)
読書環境電子書籍・書店・カクヨム(原作掲載中)

Web小説から書籍化に至る道:2026年のリアル

カクヨムやなろうへの投稿から書籍化されるには、2026年時点では以下が目安とされています。

  • 総合評価ポイント:約3万〜5万pt以上(以前は2万pt程度でもオファーが来るケースがあった)
  • ブックマーク数:1万件以上(初版部数の判断材料として最重視される)
  • 執筆実績:処女作の場合、10万文字以上がほぼ必須

上記の基準はあくまで目安であって、必ずしもそこに到達しなければ書籍化できないということではありません。しかし、書籍化を目指すための目安にはなるのではないでしょうか。

また、書籍化のハードルは年々上昇していますが、戦略も変わってきています。

近年は「コミカライズ前提」の企画が増え、小説単体ではなくマンガ化とセットで動く案件が主流です。特に「シャングリラフロンティア」のような戦闘を重きにおいた作品は漫画化オファーから先に来ることもあるそうです。

さらに、作品の内容が良いのはもちろんですが、ビジュアル映えするキャラクターや、1話ごとの引きの強さが最初から求められる時代になっています。

また「協力者ポイントが先行指標になっている」という傾向も注目点です。

『あそびのかんけい』の例のように、一般投票より先に業界関係者が評価した作品が後の大ヒット・アニメ化につながるケースが増えており、このラノ2026のランキングは「少し先の人気を先取りするもの」として機能しつつあります。

道楽さん

書籍化確率はなろう全作品の0.1%以下(120万作品のうち数千作ほど)とも言われます。それだけに「このラノ」でランクインするような作品は、本当に骨太な人気を持っているんですよね。


なぜWeb小説発が強いのか:上位作品に共通する4つのテーマ

現在のランキング上位作品を分析すると、読者に支持される共通のテーマが浮かび上がります。

上位作品の共通点
  1. 「やり直し」と「自己肯定」:転生や決別を通じて、自らの技術・知識で不遇を乗り越える「リライフ」の要素(『転スラ』『魔導具師ダリヤ』など)
  2. プロフェッショナリズムの強調:何らかの分野で圧倒的な専門性を持つキャラクターが、その力を行使するカタルシス(『サイレント・ウィッチ』など)
  3. 既存枠組みへのカウンター:主役になれなかったキャラクターを主役に据える、メタ的・脱構築的なアプローチ(『負けヒロインが多すぎる!』など)
  4. 「距離感」の美学:近すぎず遠すぎない、徐々に変化していく繊細な人間関係の描写(『お隣の天使様』『義妹生活』など)

Web小説はPV数やブックマーク数というリアルタイムの読者反応が可視化されるため、こうした「刺さるテーマ」を磨き上げた作品が自然に選別される仕組みがあります。それがランキング上位との親和性を高めている要因のひとつです。

ただ、注意点としてこの共通点はあくまで2026年現在の傾向に過ぎないため、これからも時代の流行に合わせたアプローチが求められて行くことでしょう。


まとめ:Web小説発はラノベの「主流」になった

かつて「なろう系」という言葉には「量産型」「テンプレート」といったイメージもありました。しかし今や、カクヨム・なろう発の作品が単行本・ノベルズ部門TOP5をほぼ独占し、文庫部門でも複数がランクインするのは当たり前の光景です。

書籍化ハードルが上がる一方で、アニメ化・コミカライズまでの道筋はより確立されてきています。「このラノ2026のランキング」は、そのまま「次に来るアニメ予備軍リスト」と捉えてもいいかもしれません。

今回紹介した作品が気になった方は、ぜひ一冊手に取ってみてください。なろう系作品のアニメをもっと知りたい方はこちらの入門ガイドもおすすめです。

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